Case Study 12

「時期ずらし3棟投資」で節税と長期資産形成を実現

内科医L様(38歳、独身、年収3500万円)のご相談です。
インターンを経て大手総合病院の勤務医をしておられましたが3年前に独立、クリニックを開業されました。丁寧な診察、患者に分かりやすい病状説明、的確な治療などでたちまち「名医」との評価を確立。遠方からも患者が診察に通うほどです。その結果、勤務医時代と比べ年収は倍以上、開業医平均年収と比べても1.4倍程度の高収入を得る身になってしまいました。
このため、節税対策を本格的に考えざるを得なくなり、同じ節税対策をするなら長期的な資産形成を兼ねて不動産投資をしたいというご相談でした。


[ 課 題 ]

お話を詳しく伺った当社は、L様の投資目的を達成するためには土地の資産性が高い物件、すなわち土地評価額の割合が高い賃貸物件を取得し、その減価償却費計上で節税と資産形成を両立させる必要があると考えました。
ところが、賃貸需要の多い東京23区内で土地評価額が高い賃貸物件を取得するのは非常に困難で、多摩地区か神奈川県、千葉県などの近県でしか取得できません。そうなると今度は満室経営の難易度が高まり、キャッシュフローが低くなる可能性が大いにあります。さらに長期運用を図る場合は、今後の人口減少リスクにも直面することになります。
このジレンマをどうすれば解決できるのか。簡単なようで、実は大変難しい案件でした。


[ 検 討 ]

社内で様々な状況を想定してL様の依頼を検討した結果、投資目的を達成するためには立地がキーポイントとの結論に至りました。
そして、23区内の賃貸物件ほどの高利回りは望めないものの、城西・城南の多摩川寄り地域、または多摩地区の練馬・杉並・世田谷区寄りの地域なら、それ相応のキャッシュフローを確保でき、人口減少リスクも回避できると判断しました。
そこで当社は、上記地域の中で賃貸需要が多く、市街地再開発などで今後も街の発展が予測される地域に的を絞り、その地域で減価償却費を大きく計上できる中古物件の取得が適正と考えました。さらに、投資は1棟だけではなく、複数にすれば安定的な資産形成を図るポートフォリオも構築できると考えました。
この投資戦略なら、土地の資産性の高さに加えてL様本人の属性の良さにより銀行から好条件の融資を受けられる可能性が極めて高いというメリットもありました。


[ 提 案 ]

その結果、当社は賃貸需要が高い地域(最寄り駅の1日平均乗降者数5万人以上)と土地評価額率が高い地域(過去20年の公示価格の平均値と最高値・最安値の乖離率が25%未満)を基準にいくつかの候補地域を抽出しました。さらに候補地域を今後の市街地再開発計画が決まっている街、将来人口予測が減少する見込みでない街などの条件でふるいにかけてB街を選定しました。その上で良好なポートフォリオを構築するために現在、半年後、1年後の3期に分け、3棟の中古物件取得をL様に提案しました。
この提案にL様は「不動産投資支援サービス会社というのは、そこまでクライアントのために知恵を絞ってくれるのか」といたく感心され、直ちに当社と「不動産調査及び売買契約」を締結され、続けて自分は本業に忙しいので投資運用も依頼したいと「プロパティマネジメント契約」も締結されました。


[ 今回の投資内容 ]

取得価格:1億5500万円
EQ(自己資金):1000万円
LTV(ローン):1億4500万円(利息1%、借入期間30年)

●シミュレーション結果
GPI(総潜在家賃収入) …………………… 964万円
EGI(実収入) ……………………………… 916万円
OPEX(物件運用経費) …………………… 127万円
NOI(純利益) ……………………………… 789万円
ADS(元利返済額) ………………………… 560万円
BTCF(税引き前キャッシュフロー) …… 229万円


[ 現 状 ]

今回の投資は銀行の与信力を高める物件の取得・運用で、銀行との取引実績を固めるのが目的でした。
その結果、想定以上のキャッシュフローが確保でき、銀行側の評価も盤石になりました。また、今後の投資拡大による長期的な資産形成において、他行から資金調達をする際も、マイナス評価を受けない収益性と担保評価を併せ持つ物件を購入する基盤もできました。
なお、半年後と1年後に計画している2棟の投資については節税が目的です。耐用年数切れの物件取得で、短期減価償却することにより不動産所得を赤字計上し、損益通算で事業所得税額の圧縮を図る計画です。
この「時期ずらし3棟投資」で、L様の不動産投資の目的だった節税対策を実現するとともに、安定的な資産形成とポートフォリオ構築で安定的なキャッシュフロー確保も実現できる見込みです。