代々木駅・原宿駅周辺の不動産投資市況

代々木駅と原宿駅はともに東京都心の大動脈・JR山手線の駅であり、新宿駅と渋谷駅というターミナル駅にはさまれています。再開発により新宿エリアとの一体感が高まりつつある代々木駅周辺、そして若者文化の発信地として国際的にも知名度が向上し、テナント需要がますます高まっている原宿駅周辺の不動産投資市況について解説します。


新宿と一体化する代々木駅周辺

新宿駅南口周辺の再開発により、新宿駅新南口(代々木駅側)にはJR新宿ミライナタワー及び商業施設「ニュウマン(NEWoMan)」が2016年3月に誕生しました。
代々木駅は元々新宿駅との距離が短いため、新宿駅南口周辺の再開発によって代々木駅は新宿を訪れた徒歩客の回遊圏内となり、実質的に新宿エリアとの一体化が進んでいます。

従来、「代々木」というエリアの不動産ブランド力はそれほど高くはなく、駅から比較的近い立地にも空き家などが散見できました。しかし「新宿の一角」と認識されるようになれば、近い将来地価が大幅に値上がりする可能性も十分予想されます。不動産投資家にとって目を離せないエリアでしょう。

「カワイイカルチャー」を世界に発信する原宿

アイドル・きゃりーぱみゅぱみゅに代表される原宿発のKAWAii(かわいい)カルチャー。2013年頃から話題になり、「原宿」という地名は世界的に有名になりました。2015年には「原宿駅前アイドルステージ」がオープン。国内外から「日本を代表するサブカルの街」として注目が集まっています。
そうした情報発信力の高さに注目するブランドも多く、収益性以上に認知度向上を狙ってアンテナショップを出店するケースも多くみられます。

さらに埼玉県和光市と渋谷を結ぶ東京メトロ副都心線が2013年に東横線に乗り入れ、それに合わせ中目黒駅が東急東横線と東京メトロ日比谷線の共同使用駅に改築されました。
その結果、六本木、神谷町、銀座などの都心方面も横浜方面も乗り換えなしで行けるようになり、交通の利便性も向上しました。
その利便性の良さから中目黒の人気が更に高まり、今日のように若者がどんどん移り住む人気の街になりました。

東京オリンピックの影響は?

東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場、サブ会場となる代々木国立競技場(代々木体育館)は代々木駅・原宿駅から比較的近い位置にあります。
新国立競技場の最寄り駅は都営地下鉄国立競技場駅やJR千駄ヶ谷駅になりますが、これらの駅は代々木駅からも徒歩圏内なので周辺の宿泊施設や飲食店、ショップは十分にオリンピックの恩恵を受けることになるでしょう。

また、原宿駅は代々木国立競技場の最寄り駅にあたり、「オリンピックを見に来たついでに国際的に名高い原宿をぜひ観光したい」という海外観光客も多いはずです。
こうした要素も、今後不動産需要の高まりや地価の上昇に多大な影響を与えるものと思われます。

代々木駅・原宿駅周辺の都市開発計画について

新宿駅新南口から代々木駅にかけて、JR山手線の東側にあたる千駄ヶ谷5丁目では「千駄ヶ谷五丁目北地区第一種市街地再開発事業」が進められています。
これは新宿駅、代々木駅にかけて隣接する商業施設の公開空地やデッキとの連続性・一体性に配慮した空間整備を行うというもので、具体的には、0.5ヘクタールの地区面積に地上16階、高さ約90m、延べ面積約43,600平方メートルの建物を建て、公共施設、歩行者通路、オフィス、ショップテナントなどを供給しようというものです。 竣工予定は平成31年ですが、この計画の実現により、上記で説明した代々木駅周辺と新宿エリアとの一体性にさらに拍車がかかるものと思われます。

一方、原宿駅周辺では「神宮前計画」という再開発計画が進行中です。これは原宿駅前から竹下通り方面に広がる神宮1丁目の竹下通りと明治通りが交差する位置に地上23階、高さ115.3mの超高層ビルを建築するというもので、このエリアのランドマークであるセコム本社ビル(高さ82.7m)を大きく超える新しいランドマークとなりそうです。
2017年に竣工する予定で、テナントにはオフィスやショップ、飲食店などが入る見込みです。

また、原宿駅の駅舎を建て替え、橋上駅舎化するという計画も発表されています。従来の原宿駅はレトロな木造建築で利用上の不便もありましたが、新駅舎では明治神宮側に出入り口が新設され、利便性が大きく向上しそうです。
また、原宿駅周辺では2016年に開業10周年を迎えリニューアルした表参道ヒルズなど、景観が次々と刷新されています。

代々木駅・原宿駅周辺の賃料相場と不動産投資の指標

代々木駅・原宿駅周辺の賃料相場は下記のようになっています。。


  1R 1DK 2DK 3LDK
代々木駅周辺 10.58 13.01 19.49
原宿駅周辺 13.85 13.63 22.33 33.28

(単位は万円・HOME’S調べ)


このような大規模投資が注目されるエリアではありますが、それだけに利回りの高さも十分に期待でき、レバレッジをきかせてでも不動産投資に踏み切る価値は十分あるのではないでしょうか。