中目黒駅周辺の不動産投資市況
2000年代に入って加速度的に発展が進み、下町から若者がどんどんと移り住む街に発展している中目黒。 商店街、オフィス、オシャレなストリート、高級住宅街……様々な表情を持ち、海外からの注目も集める中目黒の現在を解説します。
2000年代の再開発で劇的に生まれ変わった中目黒
「なかめ」と呼ばれる中目黒駅周辺の街は、かつては家族連れや古き良き時代の商店街が残る下町でした。
しかし、2002年に駅前再開発事業による複合施設の「中目黒GT(ゲートタウン)」が開業すると、翌年には目黒区役所が中目黒駅から徒歩5分の場所に庁舎を移転。
さらに2009年にはタワーマンション、オフィスビル、商業施設など3棟の複合ビルが集積した「ナカメアルカス」が山手通りを挟んだ中目黒GTの反対側で開業しました。
この集客機能に吸い寄せられるように、しゃれたレストラン・カフェ、雑貨店、アパレルショップなどが目黒区役所庁舎、中目黒GT、ナカメアルカスの周囲に軒を並べ、中目黒はそれまでの下町からお洒落な若者の集まる街に変わったといわれています。
さらに埼玉県和光市と渋谷を結ぶ東京メトロ副都心線が2013年に東横線に乗り入れ、それに合わせ中目黒駅が東急東横線と東京メトロ日比谷線の共同使用駅に改築されました。
その結果、六本木、神谷町、銀座などの都心方面も横浜方面も乗り換えなしで行けるようになり、交通の利便性も向上しました。
その利便性の良さから中目黒の人気が更に高まり、今日のように若者がどんどん移り住む人気の街になりました。
中目黒の飲食店の多さと多彩さは今や都内でも指折りの規模です。
東横線の高架下、中目黒駅の北側を流れる目黒川や山手通り沿いをはじめ、住宅街の中にもレストランやカフェが点在するなど、その数は年々増加の一途といわれています。
ファッション関係では若者層が増えたことで先鋭的なブランドを揃えたセレクトショップが続々と出店しています。
そのことから「中目黒は先鋭的ファッションの発信拠点」と言われるようになりました。
中目黒駅に近い駒沢通り沿いにはインテリアショップが増え、そのにぎわいは「インテリア通り」と呼ばれる目黒通りに迫る勢いを示しています。
中目黒でにぎわっているのはこうした若者層向けの飲食店、セレクトショップ、インテリアショップだけではありません。
昔ながらの商店街も新規参入組に負けないにぎわいを見せているのがこの街の奥深さといえます。
中目黒には4つの商店街があり、それぞれが買い物客で活況を呈しています。
なかでも「めぎん」の愛称で親しまれている最古参の「目黒銀座商店街」は何代も続く老舗商店が多く、下町情緒あふれる商店街としても街の人気スポットになっています。
また、桜並木が続く目黒川は古くから桜の名所としても有名です。
桜の季節は無論のこと、木の葉が強い日差しに照り輝く夏、木々が紅葉に彩られる秋など、今では新旧住民から地元の癒しスポットとして親しまれています。
加えて目黒川から代官山へと続く坂道は、西郷山公園、菅刈公園、旧朝倉家住宅など明治や大正の面影を残す公園が点在している絶好の散歩コースとなっています。
このように、中目黒は新しい文化と古い文化が混在しつつ互いに刺激し合い、それがこの街独特の活力と魅力を生み出しているといえます。
中目黒が音楽文化発信拠点になる日
中目黒では今、中目黒GT、ナカメアルカスに続く3番目の都市再開発計画が進行しています。
それが「上目黒一丁目地区プロジェクト」です。これは目黒区と東京都の共同開発事業で、中目黒駅の北側にある旧国鉄清算事業団上目黒宿舎跡地約0.8ヘクタールを再開発しようというものです。
「中目黒と代官山を結ぶ美しいまちづくり」をコンセプトに、同跡地に残る豊かな緑を生かし、「文化的な雰囲気を醸し出す施設」を整備します。
個性的な新規参入の各種専門店と古参商店街の相乗効果で多様なにぎわいを見せる中目黒と、閑静な住宅街としてのブランド力を持つ代官山の、2つの街の魅力をハイブリッド化したような街の開発を目指しています。
開発に当たっては、近くの旧朝倉家住宅など周辺の歴史的景観との調和を図るため、建物の高さは「西郷山通りの高さから21m以下」に規制しているのも特徴です。
そして、2015年6月にはプロジェクトの事業予定者が東京音楽大学と決まりました。
東京音大の計画では地上3階建ての校舎をはじめ、コンサートホール、図書館、レストラン・カフェ、オーケストラ広場などの大学施設を作り、「地元開放型の新しい形の音大キャンパスを目指す」としています。
関係者によると「キャンパス内では地元関係団体・企業主催の各種音楽イベントも開催されるなど、中目黒の新しい音楽文化発信拠点となり、中目黒の魅力をブラッシュアップする施設になる」とのことで、期待が高まっているようです。
プロジェクトは2016年中に着工予定です。
中目黒は再開発プロジェクトによって今後高まる注目エリア
不動産投資情報サイトの調査(平成27年11月23日時点)によれば、マンション、アパート、戸建て住宅全般の平均家賃相場は10.21万円で、周辺地域の恵比寿(12.65万円)と比べて19.3%、代官山(13.07万円)と比べると21.9%も安くなっています。
賃貸物件の平均利回りは5.2%です。
賃貸マンション入居者の間取りニーズはワンルームマンション:57.1%、1LDK/2DK:28.7%、2LDK/3DK:7.7%、3LDK:4.6%、その他:1.9%です。
一方、間取りタイプ別家賃相場(平成27年11月24日時点)は、中目黒駅から徒歩10分未満の物件はワンルームマンション:9.91万円、1DK:11.1万円、1LDK:17.88万円、2DK:14.26万円、2LDK:27.05万円となっています。
同10分以上の物件はワンルームマンション:8.23万円、1DK:11.39万円、1LDK:16.36万円、2DK:12.89万円、2LDK:23.14万円となっています。
中目黒は上目黒一丁目地区プロジェクトの進行でさらなる発展が予想され、「住みたいニーズ」も今後更に強まることから需要が高まることと予想されます。
中目黒ではタワーマンションや戸建が人気で1億円や2億円を超える物件も動いています。
また、東横線上は東南アジアの個人投資家からも注目を集めており、その中でも中目黒は利便性から人気を集めています。