代官山駅周辺の不動産投資状況
渋谷区を代表する高台の高級住宅地
代官山はかねてからクリエーター、アーティスト、演劇関係者など、創造的な職業に就いている人たちが多く好んで住む街として知られていますが、このような人たちを引き付ける現在のような高級住宅地に変貌し始めたのは1970年代から。それ以前は人の往来もまばらな住宅地だったともいわれています。
それもそのはず。江戸時代は「江戸府外(江戸の近郊)」で、大名の下屋敷が立ち並ぶほかは田畑、雑木林が広がっていたといわれています。
このため、高度経済成長が始まる1950年代までは屋敷が点在するものの、大半が田畑と雑木林の田園風景に囲まれた街だったようです。
代官山変貌のきっかけは、1969年に開業した旧山手通り沿いの複合施設「代官山ヒルサイドテラス」だといえます。
この地に屋敷を構えていた朝倉家が1980年までに、約30年の歳月をかけて「代官山集合住宅計画」として複合施設を建設。現在の代官山ヒルサイドテラスが生まれ、現在では代官山のランドマークにもなりました。
そして、さらに代官山変貌を決定づけたのが、2000年に開業した「代官山アドレス」です。
代官山アドレスは、都市再開発により代官山駅北側にあった「同潤会代官山アパートメント」36棟を取り壊し、その跡地に建てられたタワーマンション「代官山アドレス ザ・タワー」、ファッション店、雑貨店、食品店など約30店が入居した大型商業施設「代官山アドレス・ディセ」、渋谷区のスポーツ施設「代官山スポーツプラザ」などで構成された複合施設。
以降、代官山ヒルサイドテラスと並び称せられるランドマークとなっています。
代官山の魅力は散策の楽しさ
代官山の魅力は旧山手通り、駒沢通り、八幡通りなどのメインストリートから離れた路地や住宅街に、佇むように立っている隠れ家のような専門店やレストラン・カフェであり、これらの店に寄り道をするのが散策の楽しさだともいわれています。この雰囲気を壊さないために、新しい商業施設でも同様の散策の楽しさを味わえるよう、工夫を凝らしたところが多いようです。
例えばカルチュア・コンビニエンス・クラブが開発、2011年12月に開業した「代官山T-SITE」は、本、映像、音楽などのカルチャーコンテンツを中心にした「ライフスタイル提案型商業施設」。約1万3000平米の敷地に「代官山蔦屋書店」をはじめ、レストラン・カフェ、カメラ店、電動補助自転車専門店、ペットサービス店、玩具店などが点在し、これらの店が遊歩道でつながっています。
このため、敷地内を散策しながら買い物、レストラン・カフェでの憩い、ウインドーショッピングなどが楽しめるようになっています。
最新の施設では、東急東横線が地下化される前に走っていた渋谷駅~代官山駅間のうち、代官山駅寄りの全長220mの線路跡地を利用して、東急電鉄が開発、2015年4月に開業した商業施設「ログロード代官山」も散策スタイルを取り入れています。
遊歩道に沿って5棟の商業施設と四季折々の花木を楽しめる緑地帯が配されており、遊歩道を歩きながら買い物や飲食が楽しめるようになっています。
かつては電車が走っていた谷間に立地しており、その地形を生かした隠れ家的な雰囲気もあり、いかにも代官山らしい商業施設だといえそうです。
ワンランク上の生活を求める人が住みたい街
代官山のメインストリートには様々な商業施設が立ち並んでいますが、メインストリートから一歩小道に入るとそこは閑静な住宅地。
青葉台は豪邸や高級マンションが軒を連ねる瀟洒な高級住宅街。著名人や政界・財界人の邸宅、駐日大使館なども多く、重厚な雰囲気を漂わせています。
ところが代官山町、猿楽町、鉢山町などには一般的な戸建て住宅やマンションも存在しており、どちらかといえば庶民的な雰囲気があります。
代官山は渋谷経由で都心部へ出られるため、交通アクセスも良く、しかもブランド力のある街なので、マンションの分譲価格も賃貸料も東京23区内ではかなり高めな街だといえます。
東急リバブルの調査では、新築分譲マンションの平均価格は9219万円。1DK・LDKクラスで4000万円台、2K・LDKクラスでは1億円台を超す物件がずらりと並んでいます。代官山駅の近くで建設中の分譲マンションは、40平米程度の1Kクラスで6000万円台、150平米程度の4LDKクラスでは4億円台の分譲価格を予定しているともいわれています。
賃貸マンションは代官山町、猿楽町、鉢山町などにほぼ集中していますが、その家賃相場も不動産投資情報サイト「HOME’S」の調査によれば、ワンルームマンション12.2万円、1DK13.4万円、2DK15.8万円、2LDK36.9万円などとなっており、渋谷駅周辺よりも高くなっています。
賃貸マンションは家賃だけを見れば高そうですが、賃貸マンションの中にはプール、テニスコート、バーベキューサイトなどを設備した高級分譲マンション並みの物件やデザイナーズマンションもあり、家賃の高さに見合うだけの住環境の良さがあるようです。さらに渋谷のすぐ近くにあり、便利ながらも緑が多く閑静な環境を保つ代官山は、高額所得者層はもとよりワンランク上の生活を求める人にはうってつけの街。
代官山に住みたいという人は後を絶ちません。
賃貸マンションの平均利回りは4.9%で、渋谷駅周辺と同等の数値です。
入居需要が高い上に入居者の身持ちが良く、高めの家賃収入が見込める代官山は、一度は投資を検討してみたい街だといえるでしょう。
このようなエリアで投資不動産の収益を最大化させるためには、地域分析と近隣分析が欠かせません。
近隣駅、または沿線の街と比べてどのような物件と賃料設定が妥当なのか、またトレンドは今後どのように変化していくのか、確かな情報が必須といえます。
情報収集が手間だという方は、弊社のような専門パートナーを検討してみてはいかがでしょうか。