城北エリアの不動産投資市況

城北エリアは東京23区の北部に位置する北区と板橋区で構成されるエリアです。
不動産投資の対象としては、東京23区内では比較的地価が安く投資に参入しやすいエリアであること、利回りの良さと不動産価格の安定性からリスクが低いことが魅力となっています。

しかし最近は「住みたい街ランキング」で大きく順位を上げた赤羽やタワーマンション建設ラッシュに沸いた王子などの注目エリアも多くなっています。東京のマンション経営や不動産投資においてぜひ検討していただきたい城北エリアの不動産市況について解説しましょう。


城北エリアの概況

北区と板橋区で構成される城北エリアは東京23区の北部にあり、荒川を隔てて埼玉県川口市・戸田市と隣り合い、板橋区の西部では埼玉県和光市と隣接しています。

城北エリアの特徴としては、まず、都心に近く交通の便が非常に良いことが挙げられます。
板橋区ではJR埼京線、都営三田線、東京メトロ有楽町線・副都心線、東武東上線などが利用でき、特に有楽町線・副都心線の一部の区間は東武・西武・東京地下鉄・東急・横浜高速鉄道)による相互直通運転が行われているため、首都圏西部一円に広域鉄道網が形成されています。
また板橋区には環状6/7/8号線、首都高速5号線など東京の大動脈となる道路も通っています。
一方、北区ではJR京浜東北線、湘南新宿ライン、宇都宮線・高崎線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道線、都電荒川線などが利用でき、都心東部へのアクセスにも便利です。

また、城北エリアは東京23区中では内陸部に位置するため、地震などの災害時に被害が少ないと予測されている点も不動産投資では重要な指標となるでしょう。特に板橋区は地盤も強く、内閣府の「表層地盤のゆれやすさ全国マップ」を見ても安全性が高い地域となっています。

こうしたことから、城北エリアは都心などに比べてエリアブランド力は決して高くはないものの、地価に対して不動産資産のコストパフォーマンスが高く、また地価そのものも安いため、比較的少ない資金で投資をスタートできるといったメリットがあります。
また手頃な価格帯の中小規模の中古マンションの流通量が多いことからも、物件選びの選択肢が広くなっています

城北エリアの再開発計画

都心や臨海エリアのような大規模なものはみられませんが、上記のような不動産資産的価値のポテンシャルを高めるための再開発計画が各地で進められています。

例えば2016年3月、JR王子駅前の一等地に誕生した29階建て・高さ97.86mのタワーマンション「王子飛鳥山ザ・ファースト タワー&レジデンス」。飛鳥山公園を見下ろす眺望に恵まれた総戸数230戸のタワーマンションは、見学会の時点から大きな話題を呼び、今後の城北エリアの不動産開発の在り方を示す指針となりました。
現在、まだコンセプトの段階ではありますが、「王子駅周辺まちづくりグランドデザイン」が検討されており、JR貨物北王子支線の跡地利用などによる王子駅及び王子駅周辺区域の高度利用化計画が進んでいます。

また城北エリアの住宅地として注目度が高く、近年「住みたい街ランキング」に常連入りしている赤羽では、「赤羽駅東口地区まちづくりゾーニング構想」が進行中です。JR赤羽駅を挟んで西側には東洋大学を招致、東側には広域の住宅エリア・商業ゾーン・複合エリアを建設するという構想が承認されています。
一方、JR十条駅周辺では地上40階、総戸数約540戸という大規模な「十条駅西口地区第一種市街地再開発事業」が決定され、2016年度に再開発組合が設立されます。

城北エリアの再開発事例として多く取り上げられるのが、成増駅の北口地区です。再開発は一期・二期に分けて進められ、完成は1997年のことでした。複合施設「ACT」「アリエス」の建設、歩行者の回遊性を高めたペデストリアンデッキ整備、図書館やアートギャラリーなどの公共施設の充実など、スキップ村やすずらん商店街といった古くからの商店街を生かしながらの再開発は、成増の不動産資産価値を大きく高め、同時に知名度向上にも貢献しました。
今後、上記で説明したような再開発計画も成増の成功事例を参考に、城北エリアのブランドイメージ向上に大きく貢献するものと思われます。

城北エリア主要地の家賃相場及び不動産市況

城北エリアの、上記で紹介した主要駅付近の賃料相場は下記のとおりです。


  1R 1DK 2DK 3LDK
王子駅周辺 6.81 7.58 8.14 13.26
赤羽駅周辺 6.48 8.17 10.58 13.67
十条駅周辺 6.43 7.90 10.12 14.67
成増駅周辺 5.27 7.65 9.25 10.97

(単位は万円・HOME’S調べ)


なお、上記で説明したように、城北エリアの中古マンション・不動産物件は実質的不動産価値にブランド力が伴っていないため、利回りは都心部などに比べると総じて高めになっています。
日銀のマイナス金利政策が継続している現在、融資環境は借り手に非常に有利になっており、レバレッジも利かせやすくなっています。市況を見ると物件の流通量が多いため換金性が高く、思い切った不動産投資に踏み切ってもリスクは比較的低いと予想されます。
現在、不動産投資によってまとまった資産形成を考えておられる方は、弊社の「資産設計コンサルティング」のご利用もぜひご検討ください。堅実かつ高利回りの不動産投資に有用なアドバイスを差し上げられるものと存じます。