JR中央線沿線の不動産投資概況
東京から長野県松本までを繋ぐJR中央線。東京都内には東京~高尾まで32の駅があり、JR発表によると区間の平均通過人員66万を数えるうえに多くのベッドタウンを抱える路線です。 郊外に位置しながら都心へのアクセスの良さと、近年は新たな再開発で注目を集めているJR中央線沿線は、マンション経営や不動産投資市況において重要な選択肢のひとつといえるでしょう。沿線の自然豊かな街の紹介とあわせて解説します。
独自の雰囲気を大切にする中央エリアと広さを活かした郊外エリア
JR中央線の特徴は、まずはダイヤの充実度です。日中では通常3~10分に1本のペースで走っているため、時刻を調べる必要もなく非常に便利に利用できます。
また各駅停車のほか、快速、通勤快速、特別快速、通勤特快の4種類の列車が走っており、これらを利用することで移動時間を大幅に短縮することが可能です。例えば特別快速の場合、東京からの所要時間は新宿までが14分、国分寺35分、立川41分、八王子52分で、郊外からも快適なアクセスができることで人気のある路線です。
沿線の町は大きくは東京からの距離に応じて、山手線内の東京~新宿エリア、各駅停車でも十分に都心へ通勤できる新宿~三鷹エリア、郊外にあたる武蔵境~高尾エリアの3つに分けられます。
このうち、住宅地が多く投資物件数も多いのは新宿以西の2つのエリアです。新宿~三鷹エリアには、不動産情報サイト「SUUMO」の住みたい街ランキングで長年1位だった吉祥寺、落ち着いた街並みながら駅前の商業施設や商店街など買い物施設も充実している萩窪や阿佐ヶ谷、高円寺など魅力ある街が目白押しです。「阿佐ヶ谷アニメストリート」「中野ブロードウェイ」などをはじめ、それぞれ個性的な街作りを展開しています。
一方、郊外エリアでは、東京都が行っている中央線の連続立体交差事業により生まれた空間などを利用し、2012年にJRの駅商業施設「nonowa西国分寺」がオープンしました。東小金井や武蔵境でも駅隣接型の商業施設がオープンし、立川、八王子などでは新築マンションの建設が進むなど、都心では難しい街作りが行われています。
開発により変貌する立川
中央線沿線の街で近年再開発が進められ、大きく様変わりしているのが立川です。駅前にはルミネやグランデュオ、伊勢丹、高島屋などの商業施設が集まっているのに加え、2014年には駅徒歩10分ほどの緑町に都内最初となる「IKEA」がオープンしました。
2015年11月には立川から多摩モノレールで2駅の立飛に、約240の専門店が入ったショッピングモール「ららぽーと立川立飛」が開業。さらに2016年7月には駅前の第一デパート跡地に、商業施設、オフィス、マンションが一体化した32階建ての高層ビルが完成予定です。
2019~2020年にはららぽーとの近くに大型温泉施設を併設したホテルを建設する計画も持ち上がっており、周辺のマンション開発も活発に行われています。広大な昭和記念公園を有し、保育園などの教育施設も充実しているためファミリー層に人気が高く、2000年には16万4709人だった立川市の人口は、2015年には18万1826人に増加しています。
都心のマンション建設が用地確保に苦戦していることもあり、八王子や高尾などの郊外エリアでも大規模なマンション建設が積極的に進められています。その特徴は、スーパーマーケットやクリニック、保育園などを含む大規模な街作りプロジェクトであること、住戸面積にゆとりがあること、始発列車があり座って通勤ができることなど高い付加価値が見込めること。物件によっては即日完売になることも珍しくありません。
郊外のマンションは付加価値の高さがポイントか
2012年に行われた不動産情報サイトSUUMOによる「住んでみてよかった街ランキング」は、1位から10位に吉祥寺、中野、三鷹、萩窪、国立、阿佐ヶ谷と中央線沿線の6つの街がランクインし、このエリアの高い人気を窺わせるものとなりました。
2016年の地価平均は、吉祥寺が平米単位で平均110.8万円/平方メートル、坪単価では平均336.1万円/坪で、前年に比べ2.13%下落し、三鷹は平米単位で平均47.5万/平方メートル、坪単価では平均156.9万円/坪で、前年に比べ2.43%の上昇を見せていますが、数年単位で見ると大きな価格変動は起きていません。
不動産情報サイト「HOME’S」の調査によれば、吉祥寺のワンルームの家賃相場は7.58万円、2LDK~3LDKでは17.39万円で山手圏内から比べると2万~7万円は安くなっており、その傾向は中野や荻窪、三鷹、阿佐ヶ谷も基本的に変わりがありません。便利な買い物環境や井の頭公園などの自然環境を考えると、今後も人気の街であり続ける可能性は極めて高いと思われます。
一方、再開発が進む立川駅周辺の地価平均は、2016年は平米単位で平均62.5万円/平方メートル、坪単価では平均206.6万円/坪で、前年に比べ2.23%の上昇です。2008年から5年連続の下落のあと、2014年から上昇に転じており、今後も開発の進行と共に資産価値の上昇は十分期待できそうです。
マンションの建設が進む高尾駅周辺の2016年の地価は、平米単位で平均8.8万円/平方メートル、坪単価では平均29.0万円/坪で、前年に比べ1.74%の下落です。八王子市では平米単位で平均15.3万円/平方メートル、坪単価では平均50.7万円/坪で、前年に比べ1.07%の下落となっており、郊外マンションの投資には、物件の見定めが重要なポイントとなりそうです。
弊社の金融評価鑑定分析は、金融機関への紹介だけといったものではなく融資を出す側も納得されるような物件と投資計画の鑑定書作成からお手伝いします。クライアントと金融機関が共に安心して展望を抱けるような提案に多くの評価をいただいていますので、ぜひお気軽にご相談ください。